飼育日誌/observation diary

謝罪ではない?ジェンツーペンギンの「おじぎ」の意味

2021年12月04日

私たち人間は言葉を話すことでコミュニケーションを取りますが、ペンギンたちはどのようにしてコミュニケーションを取っているのでしょうか?実はペンギンたちは「ディスプレイ」と呼ばれる行動でコミュニケーションを取っています。

このディスプレイにはいくつか種類があります。例を挙げると、縄張りなどを守るために敵に対して怒りを伝える「敵対のディスプレイ」、ペアがお互いに絆を深める意味をもった「相互ディスプレイ」などがあります。今回は、長崎ペンギン水族館で飼育しているジェンツーペンギンが日常的に行っている相互ディスプレイの「おじぎ」について紹介をします。

▲おじぎをするジェンツーペンギン

ジェンツーペンギンを観察していると、2羽のペンギンが互いに向き合っておじぎをするという光景が良く見られます。この行動、決して謝っているわけではありません。

これはペアであるジェンツーペンギンがよく行う行動で、互いの絆を深める役割を持ちます。特に縄張りを持ったペアによく見られる行動です。一方でペアではないペンギンが近づくとおじぎはせず、攻撃をして追い払います。おじぎは仲の良いペアの目印になります。飼育場では2羽のペンギンが寄り添って歩き、お互いにおじぎをする姿を観察することができます。2羽の仲の良さが良く分かるシーンです。

また、ガラス越しでは聞こえないかもしれませんが実は声を出しながらおじぎをしています。とても小さな声ですが、「ハー」と息を吐くように鳴いています。ジェンツーペンギンがおじぎをしている様子を動画で紹介していますので是非ご覧ください!

今回はジェンツーペンギンのおじぎについて紹介しましたが、他にも様々なコミュニケーションがあり、ペンギンの種類によってもその方法に違いがあります。何気なく行うペンギンたちの行動1つ1つに注目すると、また新しい楽しみ方ができるかもしれません。長崎ペンギン水族館のペンギンたちの色々な姿を観察してみて下さい!

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